Monthly Archives: 12月 2014

3012月/14
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「大阪都構想の住民投票」についてのセミナー開催

橋下・維新+公明党が進める「大阪都構想・住民投票」をどう考えるべきなのか?
長らく、都構想及びその是非を問う住民投票に関する各党の姿勢の違いから、市議会は度々紛糾し、2014年の春には橋下市長の辞任⇒市長選挙も行われました。
それでも、事態を打開できない橋下・維新でしたが、ここにきて、公明党が住民投票の実施については賛成に回るという「急転換」が起こり、来春5月の実施はほぼ決まりとなりました。

このことをめぐって、反橋下の人々の意見・論調は「全否定」が目立ちますが、私たちは、住民投票という制度を活用すること自体は決して悪くはないと考えています。ただし、批判すべき点がないかと言うとそうではなく、今回の進め方・実施には幾つかの問題点があり、このまま住民投票に突入すると、主権者・市民が深い理解をした上での理性的な一票を投ずることは難しく、感性的、情緒的な悪しき住民投票になってしまう可能性が高いと危惧しています。

そのことを、報道に携わる人をはじめ、多くの〈発信者〉にわかっていただくためのセミナーを下記の通り開催します。 Continue reading

2112月/14
イタリアでの「原発」国民投票の際のポスター

「国民拒否」「国民発議」制度の導入を!

総選挙から一週間が経ちました。選挙前の大方の読み通り、自民党・安倍政権は、究極の解釈改憲である集団的自衛権の行使容認に基づく法整備や原発の再稼働を「国民の承認を得た」ものとして進めようとしています。こうした動きに対して、立憲主義や国民主権を擁護する立場から、私たちは主権者として全力で立ち向かわなければなりませんが、このような目前に迫った課題とは別に、国民主権をより豊かなものにするために、取り組まなければならないことがあると考えます。それは、「国民拒否」「国民発議」という制度の導入です。

自民党のみならず、民主党であれ共産党であれどこが政権を握ろうが、政治権力は時として主権者の多数意思に反するような政治・行政を行うものです。それは、日本に限らずどこの国でもそうで、そういうことが一切ない政府・政権などあり得ません。そこで、スイスやイタリアなどでは「国民拒否」「国民発議」という制度を設けて、政府と主権者・国民の意思のねじれを解消しています。

具体的に紹介しましょう。イタリアでは2009年にベルルスコーニ政権が、長らく続いていた「脱原発」政策を転換。2013年までに原発建設に着手し2020年までに最初の原発を稼働させる計画を立てました。そして、それを遂行するために必要な複数の法律(ここでは「原発再開法」と呼ぶ)も整えました。しかしながら、この「原発推進」計画に反対する国民が、野党の呼びかけに応える形で署名を行い、主として原発再開を望まない人々が、憲法の規定に基づく50万筆以上の連署を添え、憲法裁判所に国民投票の実施を求めて提訴しました(2010年)。そして、2011年6月に「原発再開法」を廃止するか否かの国民投票が実施され、投票者の95%が廃止に賛成。ベルルスコーニ首相は、主権者・国民の意思に従い、「原発再開」の断念を宣言しました。 Continue reading

1912月/14

学校でのエアコン設置の是非を問う住民投票、実施へ(所沢市)

所沢市内の小中学校では入間基地の騒音を防ぐためのエアコン設置を進めていましたが、市長が節電を理由に工事を止めました。それで市民が、設置の是非を問う住民投票の実施(住民投票条例の制定)を求める直接請求を行なっていたのですが、昨日(12月18日)、所沢市議会は全会一致で、住民投票条例を制定し、来年2月に実施されることになりました。

全体的には、「間接民主制の破壊」だとか「衆愚に陥る」、「カネの無駄」と言って、直接請求による住民投票の実施を拒む東京都や大阪市など、馬鹿な議会がまだ蔓延っている状況ですが、所々でこういった所沢市のような賢明な判断を下す議会が出てきました。

欧米ではこうした案件・テーマでの住民投票も実施されていますが、日本では初めて。これまで日本で実施された410件余の住民投票(条例制定に基づく)の中にはありません。日本の住民投票は、「原発」(96年巻町)「基地」(96年沖縄県、97年名護市)「産廃」(97年御嵩町)で歩み出しました。最初は、いわゆる迷惑施設に対する反対運動のツールとして活用されたわけですが、今回はそういったものではなく、学校でのエアコン設置」という、どこの街にもある普通の課題について住民投票で決めようという動きが起こり、それを議会が承諾したということです。

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