「今回の人質殺害事件と安保法制を絡めるつもりはない」
安倍政権の菅義偉官房長官はそう言ってますが、額面通りに受け取るほどマヌケではありません。総選挙で勝利した自民党は、「原発」の再稼働、辺野古の基地建設、秘密保護法…何もかも主権者・国民から信任を得たと強弁しています。集団的自衛権の行使容認・安保法制についても、ありとあらゆる手を使って国民からの反対の声を抑え込みつつ、国会内での数の力で押し切ろうとするに違いありません。
景気対策や福祉、外交など、さまざまな案件について、自分に代わって決定、遂行する「人・政党を選ぶ」選挙と、一つの重要な案件について主権者が議員・政党・首相に委ねず自ら直接決定する住民投票、国民投票は本質的にまったく異なるものです。
日本の住民投票、世界の国民投票で明らかなように、選挙の結果と住民投票、国民投票の結果はたいてい異なっています。住民投票、国民投票のほうが、主権者の多数意思を正確に反映しており、行政府や立法府は選挙結果よりこちらを尊重するのが世界の常識です。
安倍政権は9条解釈の変更という「究極の解釈改憲」によって集団的自衛権の行使を容認し、それに伴う安保法制を定めようとしていますが、憲法事項ともいえるこの問題は、国民投票にかけ主権者の意思を確認すべきです。
(現行憲法下における)[集団的自衛権の行使容認の是非]は、政権担当者が勝手に決めるのではなく、その是非を問う諮問型国民投票にかけて、政権はその主権者の意思を最大限尊重するのが道理であり、それこそが現状の形骸化した国民主権を実りあるものにします。
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