挿絵 改憲

言論・報道人を対象とした勉強会の御案内


言論・報道人を対象とした勉強会の御案内

参院選は自民党安倍政権の勝利となり、集団的自衛権の行使容認という「究極の解釈改憲の固定化」に加えての明文改憲狙いという新たな段階に入りました。私たちは、主権者としてそういった状況をどうとらえ、立憲主義と国民主権を守るためにどう動けばいいのでしょうか。
いわゆる「護憲派=条文護持派」は、今後、「次の衆院選で勝利しよう」とか「発議させない運動を」と仲間に呼びかけるのでしょう。そして、そうした呼びかけに呼応するメディア、言論人が多数出てくることは容易に想像がつきます。しかしながら、「発議させない」こと(国民投票での主権者の直接決定に至らないこと)が立憲主義や国民主権を本当に守ることになるのでしょうか。それはただ、現行9条を保持したまま集団的自衛権の行使を容認した「違憲の安保法制」を固定化するだけだという意見もあります。これは議論を深めるべき問題だと思います。
あるいは、「安倍政権下での改憲(あるいは改憲議論)には反対」というセリフも最近よく見聞きします。これは今や世論調査の設問にもなっています。安倍政権は最悪なのだから他の政権時ならともかく今は改憲はもちろん議論も駄目というわけですが、そんなことを言ってる人は、民主党政権時でも小泉政権時でも反対していました。つまりずっと議論することに反対で、とにかく条項・中身に関わらず「改憲=悪」「議論=悪」なのです。そして次の政権でもそれは変わらないでしょう。
さて、言論・報道人を対象とした勉強会を下記の通り催します。
参院選挙後、新聞各紙は[3分の2]という見出しを躍らせましたが、高知新聞などが報じた通り、参院選挙時に[3分の2]の意味を理解していた国民は全体の3割にも達していません。そして、伝える側も実のところは、立憲主義や国民主権の観点から、改憲発議をどう考えどう報道すべきなのかという点について確固たるものを持っているとは思えません。また国民投票のルールについても、(世界史的にはこれまで計2千件を超す国民投票が各国で行われていますが)日本は過去に一度も実施していないということもあり関心が薄く、例えば先日のイギリスでのEU国民投票と比較して日本のルールがどう違うのか、どういったキャンペーンが展開され、メディアがそれをどう報じているのかについても詳細に把握していません。
今回の勉強会は、「9条」や「緊急事態条項」の改憲が正しいとか間違っているとかを議論する場ではなく、前述の事柄について専門家の話を聞き、言論・報道者が互いに意見交換をして議論を深める場としたいと考えています。ぜひ御参加下さい。※意見交換の時間が90分あります。

「立憲主義シンポジウム──憲法論議におけるメディアの責務」
日 時:8月27日(土)17:30~20:30
会 場:東京大学本郷キャンパス法4号館8階大会議室
※東大の正門を入ってすぐ斜め右にあるクラシックな建物が法3号館で、
その後ろに接したアネックスが法4号館です。
発言者:
伊勢崎賢治「集団的安全保障・集団的自衛権と自衛隊の現実」
伊藤 真「改憲案を『誠実』に具現化している自民党。鈍感なメディアと国民」
井上達夫「憲法と安全保障の法哲学」
楊井人文「憲法論議とメディア」
今井一「英国のEU国民投票から学び倣うべきこと」

定員は35人。対象者は原則としてメディア関係者、言論・報道人。申し込みは、名前、連絡先(メルアドと電話番号は必須)、所属(フリーランサーも参加可能)を記しEメールでinfo.ref.jp@gmail.com宛てに送って下さい。
受け付けは7月23日~、定員に達し次第締め切ります。
8月17日現在の参加申込者は38人で、定員に達しましたが、いつも数人のキャンセルが出るので、あと2人の方の申し込みを受け付けます。
言論、報道に関わる仕事に就いていない方から「参加したい」旨のメールを多数頂戴しました。15席設けますので、上記の通り申し込んでください。
8月17日現在の参加申込者は11人です。
資料代として700円のみ徴収します。領収書が必要な方はお渡しします。
勉強会への参加者を募っています。「勉強じゃなくて取材に行きます」は御遠慮ください。