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2510月/17

[9条3択・国民投票]の実現をめざす会からの呼びかけ

[9条3択・国民投票]の実現をめざす会からの呼びかけ

みなさん、こんにちは! 私たちは憲法9条の[3択・国民投票]を実現しようとしている市民グループです。その活動の一環として来年の2月15、16日に模擬国民投票をやります。

なぜ3択なのか?なぜ模擬国民投票をやるのか? 少し長くなりますが読んでみて下さい。
「9条2項はそのまま残して3項に自衛隊を明記する」──自民党・安倍政権は他党も巻き込んでこのような憲法改正の国会発議(主権者・国民への改正提案)を行う構えを見せています。
憲法96条の規定により(憲法改正案が)衆参各院で3分の2以上の賛成を得られれば国会発議がなされ、その改正案を承認するか否かを決める国民投票が実施されます。
集団的自衛権の行使容認、「安保法制」は、内閣や国会の多数派が主権者の承認を得ることなく勝手に憲法解釈の変更をなして行なったものですが、今回の安倍政権の「9条改正」の動きは憲法96条に則る形で進められようとしています。そうした[国会発議⇒国民投票]での決着は憲法の規定や国民主権に適っており、それ自体に問題はありません。ただし、「9条2項」については触れずに戦力としての自衛隊を明記することの是非を問うという[改正案の発議⇒国民投票]には異議を唱えざるを得ません。
「現行9条は自衛のためなら戦力保持も戦争も認めている旨の政府見解は、〈戦力不保持、戦争放棄〉の9条の本旨を歪める解釈改憲であり、主権者・国民の憲法制定権を侵している」──そういった考え、批判の声は、学者や市民の中にも多くあります。ただし、自民党、公明党の与党のみならず立憲民主党や社民党、日本維新の会などもこの政府見解は問題なしとしています。
問題ありか問題なしか。その論争はすでに半世紀にわたって続いています。そうした「解釈合戦」に意味がないとは言いませんが、最も重要なのは、〈戦力不保持、戦争放棄〉について主権者が曖昧にせず、真正面から議論して国民投票で答えを出すことです。
「戦争するのか、しないのか」という選択こそが本質的な問題であり、そのことに関して主権者の意思を明確に示したうえで、
自衛を含め戦争を放棄するというならどうやって他国の侵略に対抗するのか
自衛戦争は放棄しないというならどんな軍隊を持ち、どのように兵士を確保するのか
といったことについて考え議論し、それを憲法や法律に明記する。そういう道をとることが国民主権や立憲主義に適っているのではないでしょうか。
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▼[9条3択・国民投票]の実施を
国民が本質的な議論を交わして主権者としての意思を表明するために、私たちは、安倍首相が提起したような9条改正案の是非を問う国民投票ではなく、3択の国民投票を実施すべきだと考えます。その3つの選択肢とは、

① 現行9条
[A]戦力を保持せず自衛を含めあらゆる戦争を放棄するのが9条の本旨だという理解で現行9条を支持。
[B]9条は侵略ではなく自衛のためなら戦力保持や戦争することを認めているという理解で現行9条を支持。

② 自民党を中心とした改正案
集団的自衛権の行使を容認し安保法制を肯定した上で自衛戦争を認める。その戦力主体として自衛隊を9条3項に明記する。(現行9条2項の戦力不保持、交戦禁止の規定を改める案が出される可能性もある)

③ 市民による改正案
集団的自衛権の行使、安保法制を否定した上で、個別的自衛権としての自衛戦争を認め、その戦力主体として自衛隊の存在を認めるが、アメリカなど他国の戦争に巻き込まれないよう厳しい規定を盛り込む。

※②③各案の「条文」は12月下旬に掲載します。

憲法96条に則った衆参各院3分の2以上の勢力をもって憲法改正の発議をなせるのは(2017年11月時点の現状では)自民党を中心とした連合以外にありません。ということは、9条や防衛についてさまざまな立場からいろいろな改正案が作られ示されたとしても、その案を国民投票にかけることは、現行の国民投票制度では不可能なのです。ただし、現行の制度、規定に則らないやり方ならできます。それは法的拘束力を持たない諮問型・助言型の国民投票です。

2017-10-24 16.00.28
(5択で行なわれた「国旗選定」の国民投票:2015年ニュージーランド)

▼そんな国民投票を日本でやれるの?
諸外国の国民投票制度においては、1つの政府案、あるいは1つの国民発議案(イニシアティヴ)に対して賛成か反対かを国民に問う国民投票のほかに、政府・議会側が3つないし4つの案(選択肢)を主権者に示して投票に付す方式があります。ニュージーランドの国旗選定、オーストラリアの国歌選定、スウェーデンの原発政策選択などで行われた国民投票がそうです。
日本でもこうした国民投票を実施することは現行憲法化でも可能で、例えば「戦力保持と自衛戦争に関する国民投票法」、「原子力発電所の再稼働に関する国民投票法」といった法律を国会で可決・成立させれば、現行憲法下でも(法的拘束力を持たない諮問型・助言型の国民投票として)何の問題もなく実施できます。
法的拘束力を持たない国民投票なんて意味がない──そう言う人は世界の実施事例を少し学んでください。例えば、英国で実施されたEUから離脱するか否かを問う国民投票は、法的拘束力を持たない諮問型・助言型で行われましたが、「残留」を奨めていたキャメロン元首相もメイ現首相も「離脱多数」となった結果を最大限尊重し、離脱手続きを進めつつあります。

▼国会は[9条3択・国民投票]の結果を踏まえた改正案の発議を
再度申し上げますが、自民党中心にまとめた9条改正案の是非を問う国民投票を(憲法96条に則り)実施する前に、政党や市民グループが連合して作った9条改正案を現行の条文と併せて示し、自民党案や現行9条と並べてどれがいいかを主権者に訊ねる国民投票を行うことを私たちは提案します。
そして、主権者の多数意思を最大限尊重した「改正案」を衆参各院が一致して発議し、改めて96条に基づく国民投票を実施して主権者に是非を問うという手順を踏むことが最良だと考えます。
もし➀の現行9条存続への支持が多数を占めたら条文はそのまま残すことになりますが、国民投票に際しての議論の中で、自衛でも戦争はしないのか自衛戦争ならするのかが明確に示されることになり、自衛隊の存在・活動に対する政府や国民のこれまでのような曖昧な姿勢は改められることになります。

2016-06-27 15.26.18
(EU離脱あるいは残留への投票を呼び掛ける両派の新聞広告:2016年英国)

▼2018年2月に[3択・模擬国民投票]をやります
9条の[3択・国民投票]は、安倍首相が目論む[9条改正発議⇒国民投票]より合理性に富み、問題の本質に迫る議論を呼び起こすことができます。そのことを証明し、多くの人に[3択・国民投票]の意味を理解してもらうために、前述の①②③のどれを選択すべきかを、48人(12人×4グループ)の参加者が2日連続で集中的に議論をした上で模擬国民投票をやります。48人は公募し、①②③の支持者及び「どの案も支持していない」という人がそれぞれ同数になるよう選定します。
この模擬国民投票の狙いは、①②③「のどれが正しいのかを決めることではなく、個々の参加者がどれかの選択肢を推したり決めたりするにあたって、具体的にどんな議論が行われるのかを確認することにあります。私たち主権者に問われていること、答えを出さねばならないこと、考えねばならないことは何なのか。それを理解することが大切なのです。そして、議論の前と後で考え(選択)が変わる人がどれだけ出て、変えた理由は何なのかを探る作業も行います。

[3択・模擬国民投票]実施プラン
[2018年2月15日(木)16日(金)に参議院議員会館で実施]
●2月15日(木)12時半~19時
13時~議員、学者らのプレゼンテーション10分×6人➀②③2人ずつ
① 現行9条
A:(戦力保持も自衛戦争も不可)
B:(戦力保持も自衛戦争も可能)
※Aの解釈こそが現行9条の本旨ではあるが、現実にA.B2つの主張があるので、このような形にした。投票前の議論においては、「➀は自衛戦争ならするのかしないのかどっちですか?」といった問いかけがなされるはず。
② 自民党を中心とした改憲案
③ 市民の新9条案
・14時15分~質疑応答
・15時~プレゼンテーションを受けて、各グループあるいは全体で議論
●2月16日(金)12時半~17時まで拘束
・13時~各グループあるいは全体で議論
・15時15分~投票
・15時45分~開票・結果発表〈ペーパーにして渡します〉
詳しい進行予定表は11月中旬に発表します。

▼[議論と投票]への参加者を募ります
ふだんから「戦争・軍隊・この国の行方」について強い関心を持ち、憲法9条についても自分の考えを持っている人。関心は持っているが、どう考え、どういう選択をすればいいのかわからない、決めかねているという人。どちらの方も[議論と投票]に参加していただけます。
首都圏のみならず、遠方(例えば大阪や沖縄、北海道など)からの参加も歓迎します。そういう方々には交通費を補助し、1日目に投宿するためのホテルの部屋は当方負担で用意します。ただし、2日間にわたる議論にきちんと参加することが必須条件です。それは、首都圏からの参加者にも約束し履行していただくことで、それができないという方は参加申し込みを控えてください。
それから、議論の模様は宮本正樹氏(劇映画『第九条』の監督)が中心となって撮影し、後日、ドキュメンタリー作品として主催者が公開する可能性があります。また、同じく議論の模様を活字化、書籍化する可能性もあります。そのことについても事前に了解してください。
また、前述したように、48人の参加者は無作為抽出ではなく、事前に➀②③の3つのうちどれを支持しているかを確認し、世代や性別のバランスも考慮して選定します。
なので、申し込んだら必ず「議論と投票」の参加者に選ばれるとは限りません。その点をご理解ください。
★参加希望者は、2017年12月16日(土)までに申し込んでください。
Eメール:9j3t.ref@gmail.com
主催する私たちは、前述のバランスを考慮して12月30日(土)までに参加していただく方々を確定します。そして、年明けの1月6日(土)までに、個々の申し込み者にEメールや郵便などで参加していただくか否かを返信させていただきます。

 

 

197月/17
0824シンポ

シンポジウム「9条問題の本質。そして、 その抜本的な解決を論ずる」

シンポジウム「9条問題の本質。そして、 その抜本的な解決を論ずる」
8月24日(木)13時~16時/参議院議員会館[12時半開場/定数70人]

自民党が、公明党や維新など他党を巻き込んで来年の夏にも発議しようとしている「9条改正案」(1項2項は触らず3項で自衛隊明記)は、これが国民投票で可決されれば、明文改憲の形をとった究極の解釈改憲となる。
こうした欺瞞的で意味のない[改正発議⇒国民投票]ではなく、解釈改憲に終止符を打ち、立憲主義と国民主権を蘇らせるための「9条改正案⇒国民投票」はあるのか?
あるいは、一切の改正は不要、現行9条のままでいいというなら(条文護持派は)その9条は自衛戦争を認めている、いないを明確にすべきではないのか?
発議阻止、現状維持では、解釈改憲状態の抜本的解決には至らない。どの党、誰が政権を執っているかに関わらず、国民は主権者としてこの根深い問題に向き合い自身の手で解決しなければならない。
では、どう向き合い、どう行動すればいいのか。そうしたことを論じ合い、参加者と共に考えます。
言論・報道者の方々のみならず、市民・学生のみなさん、ぜひ御参加ください。

詳細は⇒⇒シンポジウム0824フライヤー

255月/17
yes-no

5.30,8.24の会議にお越し下さい

以前から予告してきた通り、近い将来の[9条改正発議⇒国民投票実施]が現実的になってきました。
どういった案件、テーマを国民投票にかけるにせよ、主権者・国民の理性的認識を促して水準の高い投票にするためには、次の3つが欠かせません。

[1]案件について、官民の機関、組織から十分な情報公開がなされ、投票権者がその理解に努めること。
[2]抽象的な話や問題の核心から逸れた応酬に終始するのではなく、具体的かつ本質的な議論がなされること。
[3]自由で闊達、かつ公平な条件での運動が保障される国民投票のルールを設定すること。

3つとも当たり前のことじゃないかと思うでしょう。でも、この3つを満たす国民投票を実現するのはなかなか難しい。たとえば、ヒトラー時代の「国民投票」は[1][2][3]すべてを欠くもので国民投票の体裁をとった国民投票擬(もど)きでしかなかった。あるいは、チリのピノチェトやロシアのエリツィンら、権力側がテレビ、ラジオを使って一方的な宣伝を行うというのもよくある。これは主として[3]に関わる問題です。

[3]のルール設定については「ルール改善を考え求める会」がこれまで何度も会合を重ねて、改正案を練る作業を続けています⇒改正案作成中 。そして5月30日には参院議員会館で、案をまとめるための最終的な会合を開催します⇒ 5.30円卓会議

[2]に関しては8月24日(木)13時~ 伊勢崎賢治さん、伊藤真さん、井上達夫さん、楊井人文さんらで(昨年8月に続いて)9条問題の本質について議論します。
5月3日の安倍首相による「9条改憲宣言」を受け、さまざまな言論人が自身の考えを述べていますが、私たちは「9条・国民投票──何を問うべきなのか」と題して、解釈改憲に終止符を打ち立憲主義と国民主権をまもるためには、どういった「9条改正案」が発議されるべきなのか、国民は主権者としてこの問題にどう向き合えばいいのかについて議論します。
この討論会は参院議員会館で開催しますが、取材自由、参加自由です。希望者は⇒⇒ info.ref.jp@gmail.com [国民投票/住民投票]へ申し込んでください。

227月/16
挿絵 改憲

言論・報道人を対象とした勉強会の御案内

言論・報道人を対象とした勉強会の御案内

参院選は自民党安倍政権の勝利となり、集団的自衛権の行使容認という「究極の解釈改憲の固定化」に加えての明文改憲狙いという新たな段階に入りました。私たちは、主権者としてそういった状況をどうとらえ、立憲主義と国民主権を守るためにどう動けばいいのでしょうか。
いわゆる「護憲派=条文護持派」は、今後、「次の衆院選で勝利しよう」とか「発議させない運動を」と仲間に呼びかけるのでしょう。そして、そうした呼びかけに呼応するメディア、言論人が多数出てくることは容易に想像がつきます。しかしながら、「発議させない」こと(国民投票での主権者の直接決定に至らないこと)が立憲主義や国民主権を本当に守ることになるのでしょうか。それはただ、現行9条を保持したまま集団的自衛権の行使を容認した「違憲の安保法制」を固定化するだけだという意見もあります。これは議論を深めるべき問題だと思います。
あるいは、「安倍政権下での改憲(あるいは改憲議論)には反対」というセリフも最近よく見聞きします。これは今や世論調査の設問にもなっています。安倍政権は最悪なのだから他の政権時ならともかく今は改憲はもちろん議論も駄目というわけですが、そんなことを言ってる人は、民主党政権時でも小泉政権時でも反対していました。つまりずっと議論することに反対で、とにかく条項・中身に関わらず「改憲=悪」「議論=悪」なのです。そして次の政権でもそれは変わらないでしょう。
さて、言論・報道人を対象とした勉強会を下記の通り催します。
参院選挙後、新聞各紙は[3分の2]という見出しを躍らせましたが、高知新聞などが報じた通り、参院選挙時に[3分の2]の意味を理解していた国民は全体の3割にも達していません。そして、伝える側も実のところは、立憲主義や国民主権の観点から、改憲発議をどう考えどう報道すべきなのかという点について確固たるものを持っているとは思えません。 Continue reading

185月/16
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「自衛戦争」と「(戦力としての)自衛隊」に関する世論調査

「自衛戦争」と「(戦力としての)自衛隊」に関する世論調査

これまで、新聞や雑誌が「憲法記念日前後」などに特集を組む場合は「9条を変えるか否か」といった世論調査の結果を掲載しつつ記事を組むことがほとんどです。今回、私たちは、週刊誌『AERA』の協力を得て9条改正の賛否ではなく、 「自衛のための戦争をすること」を認めるか? 「(戦力としての)自衛隊の存在・活動」を認めるか? に関する世論調査調査用紙ですを実施しました。 近年の世論調査で「9条支持者(9条は変えないほうがよいと考える人)」として数値化されている6割~7割の人の中には、「自衛戦争なら認める人」と「自衛戦争でも認めない人」が混在しています。これでは、「日本が戦力を持ち、戦争(交戦)することを認めるか否か」という本質的な問題に関する主権者・国民の意思を正確につかみとることはできません。それゆえ、これまでの調査とは異なる今回のような設問での調査を行うことにしました。 調査期間は、本年3月29日~4月8日の11日間。東京都、大阪府、愛知県、京都府、奈良県など11都府県の駅ターミナル、スーパーの駐輪場、飲食店、大学キャンパスなどで、情報室のメンバーや大学生らが対面調査し、一部回答の人を含め700人から回答を得ました。 なお、週刊誌のAERAが5月9日発売(10日発売の地域もあり)の号で、この調査結果(数値及び回答した人々とのやりとり)と、それに対する伊勢崎賢治、井上達夫、上野千鶴子、小川和久、小黒純、香山リカ、櫻井よしこ、西修さんらの見解・意見を掲載しています。ぜひ御覧ください。 Continue reading