中日新聞のA記者から、大阪の5.17住民投票について取材を受けた。
記者は、憲法9条改正の是非を問う国民投票に強い関心を持っていて、今回の大阪での住民投票から学び、生かせることはないかという質問をしてきた。
一昨日の東成区民センターでの、賛否両派の「勉強会」と称する公開討論会を傍聴し、改めて確信したことがある。それは、論敵は(住民サービス、二重行政etc.)どんな事柄にせよ相手に具体的な説明を求め、抽象論に終始したり曖昧な説明であった場合、徹底的にそこを突いてくるということだ。
護憲派は、日常的に自民党の改憲案を批判しているが、もし2016年に、自民党案がベースになった「9条改正案」の是非を問う国会発議が実現し、日本初の国民投票が実施されることになれば、改憲派は護憲派に対して、討論会などでこう追及してくるのは間違いない。
「9条は改正せず、このままの条文でいいとあなた方は言うが、このままだと、憲法上、自衛戦争は認められるのか?自衛のためでも戦争はしないということになるのか? 戦争をしないのなら、〈いつ、どのような条件で降伏するのか? その帰結として日本国は、自分たち日本人はどうなるのか?〉このことについて、明確に答えてほしい」 Continue reading
「ご指摘」への反論
先日掲載しました「議会発言数最下位の議員がトップ当選の不思議」という記事に対して、メールで「ご指摘」をいただきました。
その内容を掲載した上で、反論したいと思います。
※下記(青字部分)が本会に届いたメールです。このメールは5月2日に届いたものですが、差出し人の姓名などは記載されていませんでした。差出しのメールアドレスから差出し人の姓名を特定し、メール送信の事実をご本人に確認しました。今回の掲載においては姓名は伏せます。
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「余りにも軽い記事」
生駒市議会議員トップ当選議員に対する誹謗中傷記事を拝見しました。以下指摘しておきます。
1.発言数と議員評価はどんな関係があるのでしょうか。数が多いほうが良いのですか?。中味のない ためにする議論百出の議員がいかに多いことか、生駒市議会の議事録を数年分読まれてみてはいかがでしょうか。
2.発言数が少ない理由をあなたは掘り下げて考えてみましたか。
脳梗塞の後遺症で咄嗟の発言に困難を伴ったりする議員もいるはずです。
ハンディキャップを背負っている議員は多くいるはずです。
こうした表面では見えない背景があるかもしれないことににあなたは思いが至らないのですか。
表面的な数字をもって事の本質を浮き彫りにしたかのような のぼせ上った思考にげんなりした次第です。
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以上が、その「ご指摘」です。
そもそものところで認識の違いがあるようですが、このエントリの批判の主な対象は「そんな候補者をトップ当選させるような市民」であり、この議員自身ではありません。 Continue reading
九条の会、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会への質問状
本年3月19日、私は、九条の会、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会の両会に対して、下記の質問状を送付しました。
その質問に対する回答を、ひと月以内に頂戴したい旨、質問状に付記しお願いしましたが、すでに40日が経過した現時点で、回答も、連絡も一切ありません。
両会は、少数の人々の限られた「サークル活動」といったものではなく、日本はもとより世界中の人々に対して「憲法9条」の意義を説いたり語ったりしているのに、このような本質的な問いに答えず、曖昧な姿勢をとることは無責任です。
そう考え、この際、こうした質問状を出していること、そして回答がないことを明らかにすることにしました。 Continue reading
議会発言数最下位の議員がトップ当選の不思議
統一地方選挙の後半が終了しました。
最近では珍しくなくなりましたが、今回の選挙でも「議員定数削減」「議員報酬削減」といった公約(看板?)を掲げる候補者が多く見かけられました。
今回、奈良県生駒市議会議員選挙でトップ当選した候補者も、「議員が身を切る改革」をアピールしていました。
この候補者は前々回の選挙では落選。それが前回の選挙では「みんなの党」から立候補し獲得票数2位で当選。そして今回は中央の党の変遷に伴って「維新の党」からの出馬となり、とうとうトップ当選を果たしました。
今回2期目の切符を手にしたこの議員は、第1期目となったこの4年間、どういう活動をしてきたのでしょうか。
議員活動の大きな目安となる、議会での発言数に注目してみます。
実はこの議員の発言数は24議員中、下から2番目です。一番少ないのは補欠選で当選し1年だけ活動した議員で、この議員の発言数を4年に換算すればこのトップ当選議員を追い抜きます。つまりこの4年の議会での発言数が実質的に一番少ないのがこの「トップ当選議員」ということになります。一番発言の多い議員の100分の1強という、非常に「無口」な議員なのです。
もちろん、単に議会での発言数が多いだけではちゃんとした議員活動をしてきたとは言えません。しかし、ちゃんとした議員活動をしている議員は必ず発言数が多いのです。自らの政策を実現する方法こそが議会での発言・質問なのですから。
こういう議員に、生駒市民は「トップ当選」という評価を与えました。
これは何をおいても「維新の党」という看板のおかげでしょう。 Continue reading
大阪市の[5.17住民投票]について(連載全3回の3)
連載第2回の続き
裁判においては、原告・被告双方が、裁判所において、自分たちの主張をしたり相手方の主張に異議を唱えたりします。裁判官や陪審員は、そのやりとりを直接見聞きすることにより、理性的な判断を下すことができるのです。
住民投票における投票権者の判断についてもそれは同じで、住民の深い理解を促すためには、賛成派・反対派それぞれが別々の場所で一方的に自陣の主張を繰り返すだけではなく、一堂に会して公開討論会を開催することが大切です。
これまで、条例制定に基づく住民投票を実施した自治体の中には、公平かつ水準の高い公開討論会を開催したところが多数あります。その事例を幾つか紹介します。 Continue reading