All posts by 今井 一

189月/14
スコットランドの国旗

スコットランドの住民投票から学ぶべきこと

今、スコットランドは9月18日の午前9時。イギリスから離脱・独立するか否かを決める投票が2時間前から始まっています。賛否どちらが多数になっても、私の考えは変わりませんが、そう受け止めない人もいるので、結果が出る前に掲載しておきます。

今回、「住民投票」と呼ばれていますが、実際にはイギリスを構成する4つの「国」のうちの一つが独立するか否かですから、これは「国民投票」と呼んでもおかしくない案件です。私は91年2月3月にバルト3国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)が個々に実施した「ソ連邦から離脱・独立するか否か」を問う国民投票およびその直後に実施された「ソ連邦を存続させるか否か」を問う国民投票の現場にいました。

ラトヴィア、リトアニアでは、国民投票をやると宣言した途端にソ連の武装グループから襲撃を受け犠牲者が出ましたが、若者たちは怯むことなく、猟銃を手に市役所などに立てこもりました。まさに命懸けの国民投票でした。あのとき示した圧倒的多数の「独立」の意思が黙殺されることなく尊重され、独立国としての今に至っています。

今回のスコットランドの投票はバルトでの国民投票に比べたら実に平和的であり、かつ賛否両派が拮抗する中で、主権者が議論を重ねて選択・決定するという点において、住民投票、国民投票の理想的な形を整えています。普段は18歳以上に認める投票権を16歳まで引き下げ、多くの若者に決定参加の機会を与たうえでスコットランドの未来を決めるというルールもすばらしい。より感動的なのは、若者たちがその意図に応え、賛否両派の訴えに関心を寄せ、学び、話し合っていることです。その事実は、本会メンバーのジャーナリスト・大芝健太郎さんら世界中のジャーナリストが現地から報じるリポートで明らかです。 Continue reading

169月/14

投票日3日前のエディンバラと住民投票の対立構造

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エディンバラのメドウス公園では投票日前の最後の週末、賛成派、反対派の両派による最後の広報活動が行われた。両派と言っても反対派のブースは一カ所のみ、賛成派のブースが並び、歩道にはセント・アンドリュース・クロスと呼ばれるスコットランドの国旗がたなびいてる。

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↑反対派のブース。資料や風船などを配っています。

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↑独立反対派と賛成派の議論が路上で急に始まる。
徐々にギャラリーが増えてきて白熱した論争になった。

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↑スコットランドの旗を掲げて公園を練り歩く人たち。
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若いキャンペナーを見つけたので声を掛けると、なんと14歳。
「投票権はないけれど、学校でもみんなと独立をどうするか議論している。」と言う。

 

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↑賛成派のブースで見つけた、独立に何を望むかを書いた短冊のような札。

 

今回の住民投票の対立構造について書きたいと思う。 Continue reading

109月/14
スコットランド独立住民投票

【スコットランド独立住民投票】賛成派の猛追でついに互角に。

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2010年3月時では独立反対派が27%、反対派は55%という状態だったが、そこからジリジリと賛成派が差を縮めてきた。しかし最後の10%の壁が大きく、ほんの2週間前まで反対派がリードしていた。しかしここに来て、ついに賛成派が反対派を上回るような世論調査も出てくるようになった。上のTNSの調査では反対が39%賛成は38%。投票しない人をのぞくとともに41%と、ついに追いつくところまで来た。

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089月/14
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「スコットランド独立住民投票」渡航まであと5日となりました。

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[国民投票/住民投票]情報室をご覧の皆様

こんにちは。ジャーナリストの大芝健太郎と申します。

この度、スコットランドの「独立」住民投票の取材に行くにあたり、資金を集めるためにクラウドファンディングにも取り組みました。一時は達成も危ぶまれたのですが、情報室でご紹介いただいたことも大きな力となり無事に目標金額を達成することができました。本当にありがとうございます。大変お世話になりました。

※クラウドファンディングについてはこちら

さてスコットランドの住民投票は今、大変盛り上がっております。 Continue reading

298月/14
スコットランドの国旗

[英国からの独立]の是非を問うスコットランドの住民投票(実施前の解説)

英国から独立するか?留まるか? それを決めるスコットランドの住民投票は、9月18日(木)に実施される。

当初、反対派が[7:3]あるいは[6:4]で優勢と伝えられていたが、ここにきて独立賛成派が支持を急増させ、今ではほぼ互角の争いとなっている。

なぜ、スコットランド国内で「独立すべし」という声が大きくなったのかについては、すでにさまざまなメディアで報じられているので、ここでは触れません。むしろ私は、メディアがあまり伝えていない事柄について[自治体国際化協会ロンドン事務所]のリポートを基に、紹介し解説したいと考えています。

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